
デザイナーが集めたデザイナーのためのデザイン資料集を紹介
「何もない状態からは何も生まれない」
良質のデザインは、様々な参考となる資料があるからこそ生まれてくる。
評価の高いデザイナーほどより多くのデザイン資料に触れ、学び、融合させてデザインとして表現している。
書店で購入できるデザイン集の書籍だけでなく、デザインの展覧会やデザインフェスなどの他、デザイン資料を数多く展示している複合施設などでは、多方面の分野のチラシやパンフレット、リーフレット、ハガキなどが無料で手に入る。
ここでは、過去15年以上に渡って自らが集めてきたデザインのための参考資料を、当時どのような気持ちで手にしたのかを思い返し、もう一度考えてみた。
Spiral Independent Creators Festival 15のリーフレット
どうやらシンプルでエンボス加工のデザインに惹かれる習性があるのか、ダイナミックなエンボス加工と銀刷り仕様のリーフレットの美しさを感じ、デザイン資料として保存している。
リーフレットの折りとしても一般的ではなく、非常に特徴的なリーフレット。
サラ・ジー展の変形横長広告
デザイン内容よりも真っ先に紙の分厚さと横長の広告スタイルが目に入り、その存在だけで他のチラシとは完全に差別化されていた。
オモテにある名前と作品のエンボス処理も邪魔にならず印象的で、デザインの資料になると思いファイリングしている。
ロバート・キャパ展覧会のチラシ
世界で最も有名で優れた報道写真家のロバート・キャパによる写真に負けないような、ジャンプ率の高い文字使いや象徴的な色など、インパクトと共に文字の組み方が非常に参考になる広告資料で、紙面全体からエネルギーが感じられるデザイン。
四つ折りの状態でもしっかり情報が分かるチラシのデザイン
チラシを4つ折りにしても、全体のイメージを損ねず情報がしっかりと伝わる広告。たとえポスティングや手配りで小さく折られても、その一部分を見ただけで何の広告であるか伝わることは非常に重要。その気づきやヒントを与えてくれた広告。
トレーシングペーパーを利用して作成されたチラシ
透ける素材であるトレーシングペーパーに、文字の太さや大きさ、色調などをいろいろ調整すると、両面に印刷された文字の濃淡で立体的な表現が可能になる。非常に実験的であり、素材の可能性を示すようなちらしを紹介します。