Choice
目的と役割で選ぶ印刷媒体の種類
このページでわかること
お店や商品を初めて宣伝する場合、一体どんな印刷物を利用すればよいのか、そのヒントにしてもらえるように、各種印刷媒体の特徴や利用方法を紹介しています。
はじめて印刷物を選ぶなら目的や役割に応じて選ぶ
普段、私たちはあまり意識することなく印刷物と接しています。改めて周囲を見渡せば、実に様々な種類の印刷媒体があることに気付かされます。それぞれの印刷媒体には特徴があり、伝える情報の種類や内容により、選ぶ印刷物の種類やデザインは異なります。
ここでは、主に印刷媒体の特徴をはじめ、デザインの考え方や利用方法を紹介します。
1.ポスティング・DMなどで代表的な印刷物 チラシ
◎チラシの概要
チラシはフライヤーとも呼ばれ、新聞折込や街角でもよく見かける私たちの生活に最も定着した身近な印刷媒体です。印刷物が減少傾向の今、大判サイズのチラシはスーパーや家電量販店などに限定され、多くはA4サイズ以下の手頃なサイズで、主に手撒きやポスティングに利用されています。
また、新聞の購読者も減少し、定期的に利用されてきた新聞折込のチラシも、特定の時期や地域に限定されて折り込まれ、印刷物の折込部数も減少傾向にあります。新聞折込チラシの主な業種は、スーパーマーケットやホームセンター、不動産、習い事、各飲食店のお知らせなど、多くの消費者が日常的に必要な情報のチラシがほとんどです。
一般的に、新聞折込やDMのように、目立たせたり内容を読ませる場合はサイズを大きく、手配りやポスティングのように、ジャマにならず手に取ってもらいたいならサイズを小さくするなど、使うシーンや情報量でサイズとデザインを考える必要があります。チラシは人気が高く印刷料金も比較的安価なため、「宣伝にはチラシ」は正しい選択かも知れません。
◎チラシの特徴
★通常は、表裏2面で構成され、表面の内容に興味がなければ裏面を見てもらえない
★表現できるのが表裏だけなので、ストーリー的な内容の展開は苦手
★紙の種類にもよるが、他の印刷媒体に比べて比較的安く印刷できる
★印刷媒体の中でも集客や宣伝で最も気軽に選ばれている
◎チラシの利用方法
従来は新聞折込の利用が目立ちましたが、ネットの利用に拍車がかかると、新聞購読者数と共に反響も減少傾向にあり、折り込みの印刷物は減少しました。一方、ポスティングやDMなどは周辺地域への影響力が未だに大きいと言えます。内容も多岐にわたり、各種お知らせや集客など業種を問わず気軽に扱える印刷媒体です。
最近は、WebサイトやSNSだけで十分という方も多いです。しかし、より狭域的に情報を提供して周辺地域から確実に集客を狙うなら、WebサイトやSNSのような広域広告よりチラシを撒くほうが断然効果的です。WebサイトやSNSを活用したいなら、動画やWebサイトの情報をQRコードで読ませ、印刷物とWebを効果的に連動させることが重要です。
2.情報の展開に様々な可能性を感じる印刷物 折りパンフレット
◎折パンフレットの概要
一般的に、一枚の紙を二つや三つに折った印刷物をリーフレットと呼びます。パンフレットとは区別され、折パンフレットとも呼ばれます。A4サイズを三つ折りにすると、小型で持ち運びに便利です。設置スペースも取らないため、折パンフレットを会社案内やショップ案内として使うことがよくあります。情報量が多い場合は、冊子やパンフレットが選ばれることもあり、ボリュームに応じて種類を選ぶ必要があります。
チラシと違い折って使うため、通常はチラシより厚手の紙を選んで安っぽく見えないように配慮します。
◎折パンフレットの特徴
★各ページに情報を掲載できるので、内容にストーリー性を持たせることができる
★三つ折りにすれば、設置スペースも取らずコンパクトに持ち運びができる
★情報を分けて表示させる必要がなければ、チラシの利用と変わらない
★ポスティングやDM用としても利用できるが、三つ折りなら目立ちづらい
◎折パンフレットの利用方法
カバンに入れやすくジャマにならないサイズ感で、平積みやラック置きでもスペースを取らず、幅の狭いマンションポストでも問題なく利用できる印刷媒体です。店舗ならレジ横に据え置いたり、営業ツールとしてもかさばらず重宝します。製品紹介や施設案内など、情報をカテゴライズできる内容に適しています。
リーフレットの最大の魅力は、「折ること」や「めくる楽しみ」です。表裏2面のチラシでは到底実現できない大きな特徴であり、段階的に内容を見せたり、複数の情報を各面ごとに配置したりでき、話の展開がある内容には最適です。ドラマチックに内容を展開すれば、非常に魅力的なツールになります。
3.大量の情報を体系的にわかりやすく紹介する印刷物 パンフレット
◎パンフレットやカタログの概要
中綴じや無線綴じなど数ページにおよぶ印刷媒体を、パンフレットやカタログと呼びます。UNESCOによると、表紙を除き5-48ページをパンフレットと呼び、それ以上を書籍と定義しています。商品数や情報量が多い商品カタログや教科書類、会社案内などに適した印刷媒体です。デザイン性より全体的な統一感のある見た目が重要で、目に負担を掛けず見やすいデザインが優先されます。
近年では、印刷物と同時に電子媒体による提供が増加しています。特に、取扱説明書などは、印刷料金削減や修正の簡便さなどで、PDFファイルをダウンロードさせるメーカーがほとんどです。
◎パンフレットやカタログの特徴
★制作工程では、無線綴じは2の倍数、中綴じは4の倍数のページ数が必要
★表紙を含めて12ページ以上なければボリュームが少なく貧相に感じる
★カテゴリごとにページを構成できる十分な内容が必要
★印刷費用や修正、スペースの関係で、電子カタログの利用が増加
◎パンフレットやカタログの利用方法
会社案内や製品紹介、商品カタログ、取扱説明書などが代表的で、一定のページ数で構成され、公式のイメージがある印刷媒体です。簡単なお知らせや製品紹介はチラシやリーフレットで行いながら、公式の印刷物としてパンフレットを作成するなど、使い分けることでメリハリが出ます。
会社案内や製品紹介などは会社のイメージそのものであり、デザインや印刷用紙などにこだわり、他社との差別化を図るには絶好の印刷媒体です。一度作成すれば何度も頻繁に改定されないため、こだわって作成される傾向にあります。
4.販促・ノベルティーなど多種多様なその他の印刷物
◎ポスターやハガキ、ラベル、カード類の概要
上記印刷物の他にも、ポスターやラベル、看板、のぼり、うちわ、パッケージ、各種カード類など、販促用やノベルティーグッズなど、数えきれない数の印刷媒体があります。
日常的に利用されるチラシやパンフレットとは違い、用途や目的は多岐にわたります。例えば、看板やポスターは、遠方に対するお知らせや案内、ラベルやシール、カード類は商品やサービスを象徴する顏としての役割。そして、イベントで配る各種ノベルティーは、既存ユーザーの確保や長期使用を見込んだ広告など、効果を見据えて選ぶ必要があります。
◎ポスターやハガキ、ラベル、カード類の特徴
★ノベルティーが日用品や便利グッズなら、持ち帰って利用する可能性が高い
★ポスターや看板。のぼりなどは、比較的遠方の人に気づきを与える
★名刺サイズのカードは財布やスマホケースに差し込みやすい
★パッケージやラベルは商品やサービスのイメージの象徴
◎ポスターやハガキ、ラベル、カード類の利用方法
住宅の壁に長年貼られた選挙ポスターや古びたお店の看板・のぼりなど大型の広告は、店舗や会社にとっての象徴的な存在で、長期間使用される傾向にあります。ちなみに、紫外線による色あせを防ぐために、屋外看板を利用する際は、暖色系より寒色系を使うことで長持ちさせられます。
カードやハガキは簡単で気軽なあいさつに、パッケージや包装紙、シール・ステッカーなどは、商品の印象を高める役割として利用されます。また、消費者へ無償で提供されるノベルティグッズは、日常的に使用したり持ち帰って据え置くような商材を選ぶことで、中長期的な広告の役割が望めます。
印刷媒体の選び方 まとめ
情報量が少なく単一の内容ならチラシが相応しく、リーフレットやパンフレットは適しません。同じチラシでも、手配りやポスティングに利用する場合、相手に配慮してサイズを小さくするなど、最終的に利用される場面や状況をイメージすることで、自ずと理想的な印刷媒体に絞り込まれます。
昔に比べて印刷媒体の種類や数は大幅に増えました。それぞれの印刷物には特徴があり、目的に応じた印刷媒体を選び、効果的なデザインをすることで成果につながります。