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デザインの考え方

良いデザインのヒントは依頼者自身が持っている

「良いデザイン」とは?

見た目や色使いに富み、華やかで美しく見栄えの良い表現が良いデザインでしょうか?
見た目の美しさや目立つ色合いなど人を引きつける要素は、デザインの目的を達成するために必要な要素の一部に過ぎません。
デザインの本質は、ターゲットに対して必要な情報を正しく的確に届ける行為であり、内容が伴わない見た目だけ美しいデザインは、結果的に良いデザインとは言えません。

デザインの主体は常に依頼者にある

デザインはデザイナーが作るものではない

様々な優れた機能を備えるパソコンでも、利用者が適切に操作しなければ、それはただの箱でしかありません。
掃除機やエレベーター、電車の扉なども同様に勝手に動くことはなく、すべて人間の操作を必要とします。
デザイナーがパソコンという道具を操作するように、依頼者はデザイナーに指示を与えて思い通りに動かす必要があります。
売上向上や集客など仕事上の目標や問題をデザインで達成・解決したいなら、依頼者自身が主導権を握り、理想とするデザインに向けてデザイナーを思い通りに動かしてください。

デザイナーはあくまで「依頼者のできない」を補う存在

もし仮に依頼者自身でデザインができれば、わざわざデザイナーに依頼する必要はありません。
たとえ電化製品が故障しても、自分で修理できれば業者へ依頼せずに済むのと同じです。
しかし業者へ修理を依頼するのであれば、丸投げせず故障の原因や現状を詳しく説明しなければ適切な修理は望めません。
つまり、依頼者がデザイナーに適切な指示を出さなければ誤作動を起こして望む結果につながらないということです。

もしこれまでデザインで望むような結果が得られなかったとすれば、それは、すべての作業をデザイナーに丸投げしたり、十分な情報を提示せず任せきりだったからかも知れません

デザインを丸投げするくらいなら建売住宅を購入すればよい

デザインの依頼は注文住宅で家を建てるのと同じ

せっかく注文住宅で家を建てるのに、間取りや建築資材選びなどすべてを工務店任せにしますか?
最終的に担当者へ相談するとしても、まずは自分の希望や理想を十分に伝えてから担当者の意向を聞くはずです。
デザインも同様で、すべての依頼がオーダーメイドであり、建売住宅のような既製品の販売ではありません。
「デザイナーに任せておけば良いデザインに仕上げてくれる!」という考え方は幻想であり、工務店への丸投げと同じです。
デザイナーに適当な素材だけ渡し、最も重要な依頼者の希望や理想、考えなどをデザイナー任せにすれば、それはデザイナーが考えた単なる作り話で絵に描いた餅に過ぎません。

デザインは消費者のために作るもの

問題解決のカギを握る存在はデザイナーではない

「暇だしやることもないから、デザインでも頼もうかなぁ」
など、何の意味もなくデザインを依頼する人はいないでしょう。

必ずデザインする「目的」があり、デザインで達成したい目標や解決したい課題・問題が存在するはずです。
しかし、依頼者とデザイナーが好き好んで作るデザインが常に正しいわけではないことを忘れてはいけません。
依頼者の問題解決や目標達成のために依頼されたデザインですが、解決の鍵を握るのは消費者の存在です。
依頼者やデザイナーの満足が必ずしも消費者の満足になるとは限らないため、まずは消費者心理を最優先に考えてデザインしなければ、問題が解決するどころか自己満足で終わります。

“無”から創ることがデザインではない

デザインは実際主義で単なる絵空事ではない

無からは何も生まれません。
「デザイナーはいつもゼロからデザインを創り上げている」と誤解されがちですが、鍋釜だけで料理ができないように、デザインにも必ず「情報」という素材が必要です。
自分の感情や思想をキャンバスにぶつけて見る者に判断を委ねる芸術とは違い、決められた目的や目標を達成するために対象を絞り的確に情報を届けるデザインは、常に結果や成果が求められるため、情報は非常に大切です。

優れた芸術や思想、学問など、世の中にあるほぼすべての事柄は、先人たちから脈々と受け継がれた知識や経験をもとに新たな情報を取り入れながら変容を繰り返し、その末に生み出された産物であり、決して「無」からは生まれていません。
デザインはそれに関わるすべての人が協力し合いながら、様々な情報をすり合わせて生み出すものなのです。

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