チラシデザインの作成についてのご依頼は神戸市のディーパーツへ
Opinion
デザイナーの参考資料室
■TITLE→ サラ・ジー展開催のお知らせ
■SIZE→ 235×90mm
広告を手に取った理由:必要以上に厚い紙にエンボス処理を施したデザイン
広告で参考になったデザイン要素:必要最小限の要素で充分な空間を利用したデザイン
■この広告を見て感じたこと
アメリカの現代美術家であるサラ・ジーというアーティストによる作品展のお知らせ。
日常の素材を利用したインパクトのある壮大な現代アートの作品が多く、作品の展示には広い会場が必要な作品も数多くある。
一般的には、アーティストのプロフィールと共に代表作などを写真で紹介する広告展開が主流だが、それらの要素は一切みられない。
表面にはアーティスト名と作品のアウトラインがエンボス加工で表現されているだけという斬新なデザインで、広告物というよりも存在自体がアートと言える。
使用されている分厚い紙の厚さは約1mmもあり、紙製のコースターほどの厚さがあり、強度もしっかりとしている。
展示会は東京銀座のメゾン・エルメスで開催とあり、その響きだけでも高級感が感じられ、広告物にも力を入れているのが理解できる。
最近の印刷物では、デザインにこだわりがあっても用紙にこだわる依頼者は少ない。
一般的なチラシは、デザインと印刷コストをできるだけ下げて反響を得たいという意図があるため、印刷用紙は最も安い紙を使うが、展覧会や美術展など特に芸術系の広告では、暑さや手触りなど紙質にこだわっている広告が目立つ。
このサラ・ジー展の変形横長広告のように、一見何の広告なのか一切わからないが、形や手触りなど感覚に訴えかけて興味を引くような広告は非常に興味深い。