■資料名→ IMAS 2017 Graduation and Project Research Exhibition
■サイズ→ 折:210×210mm,展開:210×404mm
広告を手に取った理由:全体的にシンプルでスリットから覗くキレイな夕景が映える
広告で参考になったデザイン要素:デザインに応じた紙面の折り方と内容の見せ方
■広告の特徴と学んだことは?
真っ暗な夜空の画像を表紙の背景に敷き、他にあるのはタイトル文字だけのシンプルなデザイン。変形の観音開きに設けられた16mmのスリットからは美しい夕焼けの写真が見える。このトビラを開くことで見える新たな空間に期待を寄せつつ、ついついリーフレットを手に取って開いてしまう。デザイン要素の一部をチラッと見せることで視点がそこに集中して、なんとなく気になってしまうものである。
IMASとは、情報科学芸術大学院大学の英語表記の頭文字を並べたアルファベットである。リーフレットの内容は、例年行われている研究発表会について、主に文字情報が掲載されている。しかし、リーフレットを開いた際に広がる夕暮れ時の街並みは、「嗚呼、こんなところにも人が暮らしているんだな」と、なにやら懐かしい物悲しさや、人の生活感、息づかい、生命感などが感じられて心地よい。
印象的なコンテンツの一部分を少しだけ見せることで、その先の展開に期待を持たせ、全体の内容を見てもらいやすくできることがある。今回のように内容が文字中心の情報であっても、それを読ませるための素材が優れていれば、十分見てもらえる。つまり、デザインで使用する素材選びは大変重要ということだ。しかも、デザイン内容に合わせて既成の折り方を採用せず、写真の地平線から学校の建物の高さまでが見えるように、高さ16mmのスリットを設けている。通常のリーフレットの折り方では開くまで内容はわからないが、少しヒントを与えることで見てもらいやすくなることがわかった。