Opinion

デザイン資料集

トレーシングペーパーに印刷された透かし両面チラシ

トレーシングペーパーに印刷された透かし両面チラシ

トレーシングペーパーに印刷された透かし両面チラシ

■資料名→ out of placeの展覧会お知らせチラシ 
■サイズ→ 210×297mm,A4

広告を手に取った理由:素材の特徴をうまく利用した表現力の妙

広告で参考になったデザイン要素:既成の概念にとらわれない豊かな想像力

■広告の特徴と学んだことは?

6名のアーティスト名やプロフィールなど、文字だけが印刷された不思議なトレーシングペーパー。反転文字や色の濃淡を利用して、まるで両面印刷であるかのような錯覚を生むこのチラシ。もはやアート作品と呼ぶに相応しい。
実は、トレーシングペーパーにも表裏が存在するため、実際には片面印刷なのである。印刷されているそれぞれの要素はコントラストや遠近感を生み出し、非常に実験的で存在感の強い広告物である。

写真やイラストなどを下絵にして、描き写すために使われるトレーシングペーパー。それを印刷物として単独で利用されているのは珍しい。しかも、素材の特徴がしっかり活かされているのには驚かされた。
例えば、透明感のある素材の特徴を利用して、数枚重ねたトレーシングペーパーをレイヤーごとに配置したり、パンフレットの見開きページなどに利用されるのはよく見る。しかし、反転文字や色の濃淡で両面印刷を感じさせるギミックは非常に面白い。実際に両面印刷をすれば、透明の素材を活かしてもっと複雑な仕掛けが作れるのではないか?印刷技術や素材の利用がデザインの幅を広げるという好例であろう。

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