Opinion

■広告の特徴と学んだことは？

デザインスクールの広告らしく、アイデアやヒラメキがカタチになった非常に興味深い広告で、紙面には最低限の情報だけ掲載され「詳しくはWEBで」と言わんばかりに、QRコードでWebサイトへつながる仕組みづくりがされ、この広告は消費者への気付きのために用意されている。
「あなたの心の鍵をこじ開けよう！」そんなイメージなのか、なぜカギの形状をしているのか触れられていないが、特徴的なその形状とピンク色の派手な背景に黄色文字という構成は人の目を引くには十分すぎる存在感である。
見る者の感性に委ねるアートの世界とは違い、広告は目的や結果が求められるため冒険することは少ないが、時にアート的要素を採り入れてデザインの幅を広げることもある。

映画や園芸、美術展、コンサートなど様々なジャンルの広告が並ぶ展示ブースでは広告が埋もれてしまわないような工夫が必要で、通常のチラシやリーフレットでも文字の大きさや色、フォントなどで差別化を図ることが大切である。
WebサイトやSNSの登場により印刷物だけで広告を完結させることは少なくなり、印刷物には最低限の情報を掲載しながら詳細をサイト上に展開する手法が主流となっているため、充実したWebサイトがすでにあれば、このデザインスクールのような作り方が可能になる。
通常の印刷物ばかりデザインしていると形状ありきで凝り固まる傾向にあるが、広告物の可能性を広げるような自由度の高い広告を見るたびに、もっと自由なんだということに気付かされる。