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デザイナーブログ


デザインは消費者に評価を受けることで依頼者に還元されるもの

世の中には様々なコンテストや賞レースがあり、デザインの世界にも有名無名かかわらずコンテストが存在します。

しかし、ほぼすべてのコンテストで審査するのはプロと呼ばれる立場の人々。

そこで感じるのは「デザインは一体誰に評価されるべきなのか?」という疑問です。

一体、デザインは誰に評価されるべきなのでしょう?

デザイナーが作品を評価されたいのはプロや達人なのか?

現在も取り組んでいる「デザイン」という仕事は、集客や売上向上、商品・サービスの周知徹底など、問題や課題を解決したいと願う仕事の依頼者や、問題解決の立役者である消費者のために作っています。

結論を言えば、デザインの評価を受けるべき対象者はプロと呼ばれる人々ではなく、仕事の依頼者や一般の消費者ということになります。

デザインにも種類がたくさんあり、一括りに述べることは語弊があるかも知れませんが、少なくともプロの評価を得るためにデザインを作っているデザイナーなどいないでしょう。

受賞すれば箔が付き仕事が増えることも

一般的にコンテストに受賞すれば、名刺やWebサイト、インタビュー記事などのプロフィール欄に「◯◯賞受賞」と、名の通るコンテスト名や受賞歴を記載することができるため、多方面で一目も二目も置かれる存在になれる可能性があります。

また、コンテスト受賞を機に新たな仕事が舞い込むようになり、仕事も増えて様々なメディアに登場し、注目されるかも知れません。

特にデザイナーに成りたてでコネや仕事も少ない段階では、実績作りの一環としてコンテストに参加し受賞を狙うことで、新たな扉を開けるチャンスになるでしょう。

しかし、1つだけ今でも拭えない大きな疑問が胸のしこりのように残り続けています。
それは「そのデザインで誰を納得させたいのか?」という疑問です。

デザインコンテストの審査員はプロばかりだが

最もわかりやすい例を挙げれば、漫才やコントなどにおける番組です。

実際のコンテストや賞レースでは審査員としてその道のプロを迎え、最終的にそのプロの目を通して優勝者が決定されます。
つまり、最終選考者は数人のプロということになります。

コンテストの受賞者は、数多くの参加者を退けて勝ち上がり最終審査で優勝するからには実力もあるでしょうが、彼らが笑わせたいのは一体誰なのだろう?そんな疑問が残ります。

審査する側のプロも彼らの優れた感覚やテクニックを見抜いて採点するのでしょうが、観客が見たいのは細かなテクニックではなく、純粋に面白いかどうかだけです。

芸人さんもお客さんからの評価を受けたいはずであり、そうあるべきです。
もし仮にプロに評価されたいのなら、コンテストになど出場せず、プロ相手に楽屋で芸を披露すればいいことになります。

デザイナーとしてデザインを評価されたいのは消費者

お笑い芸人が観客から評価を受けたいと思うように、デザイナーもデザインは消費者から評価されることで依頼者に還元できるのです。

コンテスト自体を否定するものではありませんが、自分が日々取り組んでいるデザインは、あくまでも依頼者の課題を解決するために消費者の心を動かすデザインを創ることが目的です

仕事のみならず、自らの行動や考え方について、誰に対し何のために行うべきなのか、その目的をしっかりと考える必要があると感じます。

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