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デザイナーブログ


ランサーズのコンペやプロジェクトで選ばれるために最低限すべきことは何か?

今後フリーランスデザイナーが仕事をしていく上で、働き方の選択肢のひとつとして主力になりうるクラウドソーシング。

仕事を始めるためには、まずアカウントを作成してプロフィールや資格・経験など事細かに書き込み、過去の実績としてポートフォリオを充実させるなど、最低限の設定を完了させることが大前提です。

しかし、早速仕事に応募してみてわかることは、連戦連敗で一切当選できないということです。当選者のプロフィールを見ると、認定ランサーやシルバーランクなど、多くの経験があり一定の評価を受けた人たちばかりだということに気づきます。

「真面目に取り組んでいればそのうち当選できるだろう」と闇雲に応募していましたが、何十件応募しても一向に当選する気配が見えないため、一度立ち止まりその原因を考えることにしました。

クラウドソーシングで当選するための最低条件とは、一体何なのでしょう?

クラウドソーシングの特性を考慮し、当選できない要因を熟慮する

そもそもランサーズをはじめとするクラウドソーシングのコンペやプロジェクトの応募では、通常1件のデザイン募集につき20〜30人かそれ以上の応募者が群がり、その中から当選者がたった1人だけ選ばれます

ロゴやポスターなど比較的作成に時間が掛からない案件の募集については、100件以上の応募者が応募するということもザラです。

当選する確率は極めて低く、たとえ作成したデザインに自信があっても当選者を選ぶのは依頼者で予測はできず、選ばれる可能性も決して高いとは言えません。
一般的に、選ばれるために応募文章の内容が大切な要素であると言われますが、その他にも何か重要なことがありそうです。

そこで、主に3点の「選ばれない理由」を考えてみました。

1.応募文章の書き方や内容に問題がある

コンペやプロジェクトに応募するにあたり、あらかじめ応募文章の書き方をネットで調べてみました。自己紹介の方法や提案内容の説明、過去の実績や締めの言葉など、様々な文章内容や書き方が書かれてあります。
紹介されているページ内の例文を参考に、何度か応募してみました。

しかし、実際の当選者の文章を見ると必要最低限の提案内容が数行書かれているだけで、個人的な経歴やその他の情報はほとんど書かれておらず、応募文章の内容が重要視されているとは思えませんでした。

デザインの分野、特にコンペにおいては応募の際にデザイン案を添付するため、応募文章の内容より先にデザインの善し悪しが重視されるはずです
コピーライターではないので、たとえ文章を書く能力が高くても肝心のデザインが依頼者に刺さらなければ、一切当選することはないでしょう。

2.デザインそのものの実力が足りていない

先程も触れたように、たとえ自分が自信を持って作ったデザインでも選ぶのは依頼者であり、どのような趣向や選ぶ基準があるのかわかりません。
これまでのデザイン経験が多い少ないに関係なく、あまり見栄えが良くないチープなデザインが実際に選ばれたりもしています。

プロの歌手がカラオケで自分の曲を歌っても必ずしも満点を取れるとは限らないように、世間的に有名なデザイナーが案件に応募しても当選するとは限りません。

自分が考える優れたデザイン性が常に依頼者の心に刺さるとは限らず、デザイナーとしては文章を読み解き最善のデザインを作る他ありません

「デザイナーの実力不足」という言葉はデザイナー同士の勝手な尺度でしかなく、依頼者の物差しとは根本的に異なるため、どのようなテイストのデザインが依頼者に刺さるか判断するのは非常に難しいことです。

3.登録してからの実績数に問題がある

実は、これが一番の要因ではないか?と作業を進める中で感じました。

実は、ランサーズに登録したのは2015年で、登録からすでに10年が経過しています。登録した当初は数回利用したものの他の仕事が忙しくなってしまい、その後まったく利用せず10年近く放置したまま過ごしてきました。

2025年になり本格的に使い始めましたが、当然実績数はゼロのままで基本的な事項のみ登録しているだけの状態です。
「実績ゼロ」という状態がどこまで影響しているのかはわかりませんが、一般的に仕事を任せるのに実績がゼロの応募者を選ぶでしょうか?しかも登録から10年も経過して評価されていないとなれば、信用や信頼はまったくないに等しいでしょう。

たとえ25年以上デザイン業界で実績を積んできても、現在のフィールドにおける実績がまったくなければ「安心」の担保にはつながらず、当選できないのは当然です。相手が見えないからこそ実績の数字やポートフォリオなど、目に見えて理解できる安心材料が不可欠なのです。

つまり、一生懸命デザインを作って応募し続ければそのうち当選するであろうと、多数の応募者から選ぶ側の立場に立たずに楽観視していたことが誤りでした

まとめ

クラウドソーシングでは、プロフィールなど基本的事項を充実させてことも大切ですが、その場での実績数や過去のポートフォリオなど、依頼者の不安を払拭する安心材料がなければ選ばれません。当選者を選ぶ依頼者は制作者がまったく見えないため、判断基準や材料は必要です。

過去にどれだけデザイナーとしての実績があっても、他のデザイナーと戦おうとする場所での実績がなければ勝ち目はないということです。同じ土俵に上がって勝負したければ、必要な下準備をしなければなりません

つまり最初にすべきことは、デザインとはまったく関係がないアンケートなどの「タスク」に何度も応募を繰り返して実績を作り、実際に仕事を納品したという証明が必要です
プロジェクトは実績に直結するため、複数人当選できる案件に応募して実績数を増やします。デザイナーだからデザインの仕事だけに応募して評価を上げるというこだわりを捨て、なりふり構わず応募して早急に評価を上げるべきです。

特にランサーズの場合はランク設定があり、過去に受けた仕事の数がひと目でわかるため、低いランクで実績ゼロの状態では良い印象を与えませんので、デザイン以外のプロジェクトに多数応募して早急にランクを上げるべきです。

簡単な作業で実績数を増やしながら自分が戦うフィールドの仕事にも挑戦し、早急にランクアップを目指さなければ仕事は取れません。

大切なことは過去の実績や応募文章の内容ではなく、どれだけこの場所で経験を積んで実績を上げているのか?ということです。
これからクラウドソーシングで仕事を始める人が同じ過ちで悩むことなく、決して進める順序を間違えて遠回りしないように、十分注意してください。

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