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デザイナーの理想と現実

考えることに集中できる場所は将来の財産となる
本当に集中したいとき、あなたはどうしていますか?
部屋の模様替えや掃除をしたり散歩をしたりするのもいいでしょうが、実際に目に見えるものや景色はそれほど大きく変わらない。
いつもと同じ環境下で常に同じように集中力を高めることは難しく、自分を取り巻く環境自体を大きく変えることが大切である。
いざという時のために自分だけの集中できる場所を見付けておくことは、重要な局面で力を発揮してくれる。
仕事は必ず事務所でやらなければという考えが集中力の欠如と非効率を生む
集中できる場所やタイミングは人それぞれで、いつも同じ場所にいるとマンネリ化して仕事の効率が悪くなる可能性がある。
机の上や部屋の整理で気分転換を図ることも考えられるが、
実際に環境が大きく変わることはない。
営業であれば外出して様々な場所を訪れ環境に変化をつけやすいが、
室内で一日中パソコンの前にいるデザイナーは行動範囲も限られ、気分調整することが難しい。
打ち合わせの資料をまとめたい時や全体の構想を練りたい時、
文章を考えたい時など集中したい場面は様々あり、必要となる集中の度合もそれぞれ異なる。
そのため、気分を調整し気持ちよく取り組める場所を数箇所見つけておくことは大切で、「仕事は事務所で」という間違った固定観念から早く脱却しなければならない。
静かな場所だから集中できるとは限らない
集中できる場所と聞けば、静かで誰にも邪魔されない落ち着ける場所と考えがちだが、適度に人がいる場所や日常の騒音が聞こえるほうが緊張感を保てることがある。
例えば、静かな図書館よりもオープンな公共スペースや
大型ショッピング施設、電車の車内のほうが集中できたりする。
しかし、見つけたその場所が「自分のゾーン」として機能するかどうか、つまり一度限りでなく何度訪れても心地よく集中できる場所であるかは大切なポイントである。
本当に良い仕事をしたいなら、じっと一箇所で考え込まず積極的に場所を移動するなど、自分なりに仕事の環境を良くする努力が必要である。
また、座り続けるより歩き出すことで脳に新たな刺激が与えられて活性化し、新鮮で良い発想が生まれるきっかけにつながる。
集中できる場所や落ち着いて考えられる場所を持つことは、「あの場所へ行けば良い考えが浮かぶかも」という良い流れを生む可能性があり、心をリセットできる場所にもなる。
デザイナーだけでなくどんな職種や立場の人でも、集中できる場所を持つことは人生において非常に大切なことだと感じている。