Voice

デザイナーブログ

デザインはシンプル・イズ・ベストである

最小要素で最大の情報とインパクトを与えるデザイン

なぜこの要素が必要なのか?
本来、紙面上のデザイン要素はそれぞれに理由があり、何となく選んでいるわけではない。情報量を増やすためだけに要素を加えると、本来の意味や目的が薄れてしまう。
消費者にとって、紙面を彩るデザイン要素の量は多いほうが良いのだろうか?

世の中のデザインは徐々にシンプル思考に

デザインの仕事をはじめた頃、Photoshopのフィルター効果であるエンボスやドロップシャドウなど、見た目をリッチにする加工を積極的に利用していた。当時は、文字や画像に様々なフィルタで加工するデザインが主流で、表現も豊かに感じられた。
時代の流れとともにリッチコンテンツは廃れ、スマホのUIに利用されている、シンプルなフラットデザインが現代デザインの主流である。もとは、画面表示の速さや見た目のわかりやすさを理由に、Webコンテンツのデザインに利用され始めた。スマホの利用者増加に伴い、画面設計においてもフラットデザインが導入され、銀行ATMや駅の窓口など様々な場所のUIでも使われている。無論、表示速度など関係ない印刷物のデザインでも、シンプルなフラットデザインを見る機会が増えた。

スペースを埋めているのではなく紙面の要素には理由がある

紙面を有効利用するためにも空白を作らず、空間をできる限り情報で埋めたいのが一般的な考え方。寂しく感じる紙面を写真やイラストで埋めようとする人もいるが、空白にも重要な情報が含まれているので、安易に要素で埋めるべきではない。情報を詰め込みすぎたり空間を埋めるための装飾は内容を薄めるため、不要な要素は極力削除すべきというのが鉄則である。
デザインを考える際は、それぞれの要素で「なぜこの要素が必要なのか?」を考えながら構想を練ることが重要である。

少ない要素で最大限の情報を届けられるデザインこそ究極のデザイン

一瞬にして人を引きつけたり判断を迫る内容こそシンプルなデザインでなければならない。例えば、交通標識や道路沿いの看板などがそれにあたる。街中の様々なピクトグラムも国際化が進められ、来日した外国人が簡単に理解できるデザインが求められる。
少ない要素で最大限の情報を伝えるデザインは簡単ではないが、多くのデザイナーが目指すべき理想のデザインである。伝えるための要素も文字や写真などの従来の情報だけではなく、印刷物なら用紙の質感や素材などにこだわるなど、人間の五感を利用することも大切である。
あれもこれもと情報を入れたがっていたデザインを始めた頃とは違い、届ける情報の本質を考えてみると以外に無駄は多く、必要な情報だけを書き出してみるとシンプルなデザインで伝わることに気づく。

記事一覧に戻る

⇑TOP

\SNSでシェアする/

Twitter
Share
Hatena
ポケット