
デザインの作業中に突如として現れる「ひらめき」は従うほうがいい
デザインの仕事を長く続けていると、ある一つの不思議な感覚が研ぎ澄まされてきます。それは、デザインで指摘されそうな箇所が前もって分かるようになる、というものです。
いつも「指摘されれば修正しよう」と思いながら提出すると、それが高確率で指摘されるのでいつしか従うようになりました。とても不思議な現象なのですが、「この文字は大きくしてほしいと言われる」と突然頭をよぎったりします。一種の「職業病」なのかも知れませんが。
一般的な感覚だからこそ指摘されそうな箇所がわかる
デザイナーは特別な存在ではなく、感覚的には一般人と変わることはないと思っています。中には研ぎ澄まされた感覚を持ったデザイナーもいると思いますが、一般的にはごく普通の感覚の人が多いと思います。また、皆と同じ感覚を持っているからこそ指摘を受けそうな箇所に気付くのでしょう。
「もう少しタイトルの文字は大きい方が良いかな?」「ここは明朝系よりゴシックって言われそう」「写真は要らないと言われるだろうな」。作業を進める中でどこからともなく現れる感覚があり、その感覚に従わず提出すると決まって指摘を受けるので不思議です。
長年のデザイン経験や実績がなければ起こらない現象
デザインの仕事を始めた頃は技術的に未熟で、経験や実績を積むため必死になって毎日を過ごす日々でした。デザインの良し悪しや本質を十分理解できていない頃は、指摘を受けそうだという感覚などありませんでした。それは恐らく自分のデザインに自信が持てず、不安を感じながらデザインをしていたからだと思います。
フリーランスとして独立してからも様々な経験を積み、責任と自信を持ってデザインに取り組むようになったため、徐々にその感覚が湧き出るようになったのでしょう。しっかりと自分で物事を考えることができ、自信や余裕を持てる状態になれば次第に現れる感覚なのでしょう。
直感やひらめきを大切にして概ねその通り進めるのが「吉」
なぜかフッと頭に降りてくる「ここは担当者から言われるよ!」という直感のようなもの。時には先回りをして気を利かせ過ぎ大きく勘が外れることはあるものの、概ね直感に従うことが正しい選択なのだと感じています。
デザインにおいて「直感」や「ひらめき」は大切な要素で、その感覚は経験や実績を積むことで現れやすくなります。自分自身のデザインや感覚を信じられるようになれば、その直感やひらめきも信じて行動することでより自信につながると感じます。