
「わからない」ではなく「わかろうとする」努力が大切
稀に「あまり知識がないのですが…」と保険をかけてから話し始める担当者を見かけます。
これから自分が関わる仕事であれば「わからない」などと言わずに済む方法を考えなくてはいけません。極めて専門的な分野ではない限り、仕事では「知らない」や「わからない」で通用しないこともあり、信用にも関わるため使わないほうがいい言葉だと思います。「素人なのでお手柔らかにお願いします」とでも言いたいのかも知れませんが、相手を疑心暗鬼にさせたり不安に感じさせる言葉に感じます。
物事を他人にすぐ聞く人間は何も考えていないように映る
わからないことを最短で解決する方法を知っています。それは、誰かに聞くことです。しかし、問題は簡単に解決するかも知れませんが、自らの頭で問題を解決する力は身に付きません。誰かに何かを尋ねる前には時間を掛けて自ら調べることが重要で、それでもわからない時に初めて聞くようにしなければ努力が感じられません。
学生の頃、毎回宿題をせず友人にノートを借りてばかりいる人間がいました。私は彼に自分で考えるように勧め、一度たりともノートを貸したことはありませんでした。努力をする人間には進んで協力をしますが、まったく努力もせず簡単に答えだけを求める人間には手を差し伸べる必要がないからです。そして、それを親切とは言いません。
人生で初めてデザインを依頼してくる人の多くは、電話口で唐突に「どうすればいいですか?」と尋ねます。サイト上にはデザインを依頼する前に何が必要か記載しており、他のサイトでも情報があるにも関わらず、事前に調べないことに少し意識が足りない人なのかと感じてしまいます。
日頃から注意している主体性のある言動や行動
日頃から取引先には「わからない」「知らない」などネガティブな言葉を意識的に使わないようにしています。自分が関わる仕事にも関わらず、無責任で逃げているような印象を与えかねないからです。関わる仕事に関する知識が少ないのなら、基本的な情報を事前に十分調べて「わからない」や「知らない」を言わずに済む努力をします。今は昔と違って数多くの情報源があるため、ネット検索をするだけでも簡単な疑問であればすぐに解決できるでしょう。
あらかじめ必要最小限の情報を調べ、その上で必要なことだけ相手に質問するような配慮が必要です。むしろ、専門的な分野でも事前にしっかりと下調べをして打ち合わせに望むことで、事前によく調べていると信頼性が高まるかも知れません。
ネガティブ思考をポジティブ思考へ変える
異なる分野でわからないことがあるのは当然です。しかし仕事で関わる必要があるなら「わからない」で済ませたり他人に頼らず、自分から積極的に情報を集めなければ仕事全体の把握にもつながりません。知らない分野であるからこそ知識を広げるという意味で積極的に関われば、得意分野にできるかも知れません。
「わからない」「知らない」など否定的な表現は他人に良い印象を与えず、あまり努力も感じられません。保険や逃げ道を作らず積極的に情報収集することが信頼につながるのだと思います。