デザイナーブログ

広告内容が郵便局の利用者ニーズに合うかがカギ
さまざまな広告手法がある中で、デザインという業種が郵便局の広告設置サービスで反響を得られるのか?を検証してみました。(注:サービス利用は2014年当時)
結論としては、日頃から郵便局を利用する層(40~60歳代、女性>男性)のニーズを考えればわかるとおり効果はなく、BtoBよりBtoCの業種が望ましいということです。しかも、日常的に必要とされやすい商品やサービスでなければ興味を示してもらえようです。つまり、特定の領域だけで必要とされ、しかも完全にBtoBの商材であるデザインは郵便局の広告サービスに適さないという結論です。
郵便局内に設置されている広告を見てみると、主に農産物の販売や習い事、催し物など多くの人が興味を持つ内容の広告がほとんどです。デザインをはじめとするBtoBを目的とした情報や商品の紹介は見ることはありません。
今回のチャレンジは完全に失敗に終わりましたが、実際に経験した内容を以下に記します。
サービス内容は事前に十分把握してから利用すること
郵便局内に設置できる主な広告物はポスターやチラシでなどの印刷物ですが、その内容や種類は局の規模によって異なります。月額の利用料金は郵便局の一日の利用客の規模でそれぞれ違います。広告の掲載期間は希望すれば延長できますが、基本的には1ヶ月間の利用から始められます。専用ラックに置くチラシやポスターは原則月初めから月末までと決められ、フリースペースを利用する場合は月の途中からでも利用可能なため、試験的に利用するならフリースペースを利用した広告がお勧めです。しかし、フリースペースは広告の置き場所を指定できないため、設置場所がATMスペースではなく局内だと土・日に見られることがほぼなくなり、機会損失につながる恐れがあります。
設置枚数は200枚/局が上限なので、設置枚数をよく考えて印刷しなければ残ったチラシは終了後に廃棄されます。また、郵便局の利用者の大半は年配客や主婦層、そして昼休みに入出金目的で訪れるサラリーマンやOLであることは知っておくべきでしょう。
広告で失敗しないためにも、郵便局の広告設置サービスについて、事前に内容を把握しておく必要があります。郵便局内にもパンフレットが設置されてあります。
チラシ設置局を選ぶためには自分なりの基準が必要
サービス内容を把握して大体の利用エリアを担当者に申し出ると、その範囲内にある郵便局の情報を印刷して提示してくれます。用紙には一日の利用人数や設置タイプの種類など局の細かな情報が掲載されているので、局の立地や規模などを参考に設置局を選びます。
広告を設置する局を選ぶには事前に自分で条件設定をしたほうが選びやすいです。今回は以下のような条件を事前に考えてみました。
- 1.A局(比較的中規模な郵便局)以上であること
- 2.駅近くや国道沿いにあること
- 3.局に駐車スペースがあること
- 4.すぐ近くに別の局が存在しないこと
- 5.商店街など賑やかな場所であること
担当者に郵便局の一覧を打ち出してもらうと、予想以上にその数が多いことに気づきます。だから、自分なりの基準を設けて選ばなければ絞りきれません。
デザインという業種であれば、閑静な住宅街にある郵便局は避け、商業地やビルが多くある人通りが多い場所が良いと考えました。また、駐車場がないと近所の利用者が多く、駅近くや国道沿いであればより多くの利用者を望めると考えました。
それぞれの局の場所を調べるためにGoogleMapのストリートビューが活躍しました。現地を訪れる時間などないため周辺の街並みや環境を見るために重宝しました。しかし局内の様子までは見られないので、理想的な場所を見つければ必ず一度は確認に訪れたほうがいいでしょう。
設置局を決定して正式に申し込めば、期日までに印刷物をそれぞれの郵便局まで持ち込むことになります。注意が必要なのは、広告の設置開始から終了までの期間は郵便局から連絡などありません。サービス終了後は広告物は廃棄されるため、特に何もする必要はありません。
どんな商品やサービスでも集客につながるわけではない
今回は不特定多数に必要とされない「デザイン」という特殊な商材のチラシを設置しましたが、反応は「ゼロ」という結果でした。郵便局の利用者層やニーズを考えれば当然と言えますが、まずは郵便局を訪れる利用客がその商材にベネフィットを感じられるのか?をしっかりと追求すべきでした。特に学んだことは、デザインのような超絶BtoBの業種や特定の層だけが必要とする商材は、郵便局の広告設置サービスには向いていないということです。郵便局の広告設置サービスで確実に反響を得たいなら、エリア情報などを手に入れて徹底的に分析することでしょう。
今回のミッションは結果的に失敗に終わりましたが、特にBtoCの商材に代表される販売系の商材は、非常に利用価値が高く相性の良いサービスだと感じました。今回サービスを利用してみて感じたまとめです。
- ・業種やサービスの内容で利用価値がまったく違う
- ・郵便局の利用客の年齢層や目的を理解する必要がある
- ・BtoBや特定の領域に特化した商材は不向きである
- ・幅広い層を対象にした商材や高齢者向けサービスは向いている
- ・効果的に利用するためには事前の分析が必要