広告の一部に過ぎないデザインと言う分野の基本を学ぶ
広告や宣伝における新たな発見や知識を得られれば採り入れたいと思い、通常とは少し変わった視点で捉えた広告関連 の書籍を手に取ってみた。
オレンジ色をした横長の外観は書店でもひときわ目立ち、サイズ的にも手に取りやすく、十分にマージンが取られた紙面構成も小気味よく文章も多くないので数時間程度で通読した。
本書には平易な英語で書かれた同じ体裁の英語版が存在するので、英語学習者でデザインに興味がある人なら英語版の購入を強くおすすめしたい。
広告の分野は広く、印刷物だけでなくネットやテレビ・ラジオ放送、屋外広告など様々なメディアが対象で、俯瞰的な視野と虫の視点で広告のアイデアが紹介されている。
各ページの左側にはそれぞれのテーマに沿った象徴的なイラストが掲載され、ページ右側で項目の内容を紹介するというスタイルで、全101項目のアイデアを紹介。
ところどころに過去の有名・著名人による名言が掲載されているのもおもしろい。
アメリカの広告業に即した箇所が多く直接当てはまらない項目も多々見受けられるが、広告とは何かを様々な視点で見ているため内容に幅があって退屈しない。
広告は広告業界だけで成り立っているのではなく、その他多くの業界に依存しながら成り立っており、デザイン業界も同じである。
つまり、広告の知識だけ必要ではなく、より幅広い知識について学ぶことが求められる。
本書は、広告という分野のほんの一部分を担う印刷物をデザインする立場の人間としても、目からウロコの内容が多く含まれており発見や知識になりうる情報は多い。
デザイナーはもちろんのこと広告業界以外の一般職の人にも、情報源や知識として十分役立つ一冊である。