
表紙の中窓でつながりをもたせたデジタルフォトフレームの二つ折りパンフレット


写真がフィルムの時代、わざわざお店でフィルムを現像してもらいアルバムに貼り付けて保存していました。
保管場所も必要ですし時間と共に写真は色あせてしまいます。
カメラもデジタルとなり、撮影した写真データをプリンタで出力することもありますが、そのままデータとして保存することがほとんどだと思います。
デジタルフォトフレームは単に写真データを保存するだけでなく様々な機能がそなわっていて、思い思い写真を表示させられるので非常に便利です。
最近では国内外問わず様々なメーカーから沢山の種類のデジタルフォトフレームが発売されており、注目商品の一つとなっています。
家電量販店に行くと各メーカーのデジタルフォトフレームが所狭しと並べられ、その近くには必ず製品比較をするためのパンフレットが置かれています。
デジタルカメラの普及で需要が大幅に増えつつあるデジタルフォトフレームですが、購入を考える人は特に気になった商品のパンフレットを次々と手にして持ち帰り、自宅でよく検討してから商品を購入するでしょう。
また、特に店員が説明してくれることもないため、パンフレットの内容は商品の機能や性能を余すとこなく説明する必要があり、少しでも注目してもらうために見た目や表現で他社と差別化をしなければなりません。
デザインの想定は、スキー旅行に行った家族が旅行写真をデジタルフォトフレームに保存して祖父母のもとに送り届け、送られた祖父母は簡単に設定して既にリビングでくつろぎながら見ている、というものです。
パンフレットの内容につながりと一貫性を持たせ、引っ掛かりや違和感を感じさせないことが大切です。
つながりを持たせる工夫として、表紙に配置したフォトフレームの枠を切り抜き、中面の写真が見えるようにしています。
パンフレットを閉じた状態では一連の楽しそうなスキー旅行の写真ですが、パンフレットを開けると老夫婦がリビングのソファーに座って写真を眺めているのです。
これは、デジタルフォトフレームが持つ特徴のひとつでもある「簡単にすぐ使える」を表現しています。
また、自宅で検討する以前に店頭で見て感覚的に理解してもらえるように、全体的に文章量を抑え、写真やイラスト、アイコンなどを多用して機能の紹介をしています。
近年、家電もネット通販が盛んになり、店舗を訪れずにネットで商品を購入する人が増えてきました。
また、欲しい商品を店頭で実際に目で見て価格の安いネットで購入するという人も多いのが現状です。
しかし、店頭に並ぶ商品を選ぶ助けとなるのは商品パンフレットの存在で、ネット通販が盛んになってもそれは変わらないでしょう。
デジタルフォトフレームの市場は大きく、今後様々な機能やデザインの商品が登場しそうな予感がします。
◎デザインに至った経緯と目的
海外製のデジタルフォトフレームを主に家電量販店などで販売するため、その特徴や利便性が一目で理解できるような二つ折りのパンフレットが必要となりました。
他社製品と機能面で明確な差別化が難しいため、わかりやすい説明と面白い表現を用いて店頭で少しでも気になってもらえるように工夫しました。
◎デザインするときにこだわった点
機能説明にはアイコンやイメージを多用して視覚的にわかりやすくすることはもちろん、全体のイメージをストーリー通りに進めるにはどう表現すれば伝わるのかを考え、表紙のフレーム部分を切り抜き中面のイメージとつながるようにしました。
また、デジタルフォトフレームには多くの思い出の写真を入れられることも、多数の写真を使って表現しています。