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デザイナーの理想と現実

SNSは消費者の「知りたい」に応えるだけの情報量を提供できれば成功する
伝えるべき多くの情報があり、それを知りたい消費者が存在する。
SNSを利用して集客を目指すなら、情報における需要と供給のバランスが大切だ。
消費者の「知りたい」を満足させられるメディアを提供できるのであれば、積極的に利用することが賢明であり重要なツールとなる。
急速なネット環境の進歩とSNSの登場が情報の世界を広げた
主要なメディアがテレビやラジオであった頃、世界で起こる様々なニュースを手にすることは容易ではなかった。
知りたいという消費者の欲求にメディアが十分に応えられず、その手段も一部の有料チャンネルなどに限られ、情報を自ら動き手に入れなければならなかった。
インターネットの登場で世界の情報を知ることができ、SNSで新たなコミュニケーションが生まれた。
近年プロレス業界の人気が取り沙汰され、相撲界でも若いファン層が増加傾向にある。
それら過渡期をつぶさに見てきた中で、SNS特に即時性のあるTwitterを利用し始めたことで情報が動き始めたのを感じた。
真実を知る情報ソースの少なさが正しい判断を狂わせた
プロ野球やJリーグなど人気が安定した国内のスポーツは別として、マイナースポーツと称される競技の認知やファン獲得は簡単ではない。
プロレスは一昔前まで地上波のゴールデンで放送されていた国民的な娯楽のひとつであり、子供から大人まで人気を博していたが、高度経済成長とともに誰もが楽しめる娯楽の数が増え、一気に人気が低迷してしまった。
一方大相撲は、日本の国技であり常に安定した人気がある反面、近年は内部問題やスキャンダラスな出来事が重なるなど、業界全体が揺れてファンも減少傾向にあった。
いずれも真剣勝負で誠実さをアピールしたり様々な取り組みで人気回復を図るなど、常に最高のパフォーマンスをファンの前で披露し続けてきた。
「真っ向勝負をしていればファンはついてくる」
よく耳にする言葉だが、心から愛するファンは理解できても世間を納得させるまでには至らなかった。
一般視聴者にとって問題の原因を知るための情報ソースは少なく、マスコミが提供する情報を信じるほかない状況にも問題があった。
SNSで自ら情報発信することが新たな波動を生み集客につながった
プロレスや大相撲などが組織運営し続けるためには、会場へ足を運んでもらったりグッズを買ってもらうなど、常に儲けを生まなければならず、新たなファン獲得やその維持は必須の課題である。
昔から応援し続けているファンとは違い、新たな若年層のファン獲得にはこれまで同様の情報発信だけでは難しい。
いずれもWebサイトの運用はすでに行っていたが、メディアの特性上情報は一方通行で人目に触れる機会は少なかった。
しかしSNSの登場により、消費者が求める情報を積極的に提供することで反応が生まれ、Webサイトへの流入にもつながるなど相乗効果が生まれた。
特にTwitterは情報の新鮮さや伝播力は著しく、一瞬にして広く多くの人の目に触れる可能性を秘めている。
会社をはじめ各選手がまったくTwitterを利用していなかった頃と比べれば、世間に与える影響力は大きく、人気回復に直接つながったと言える。
それは一方的な情報提供にとどまらず、発言に対して反応してもらったりコメントを貰うなど、非常に身近な存在として捉えられるようになったからだろう。
消費者が求める豊富な情報があるだけでSNSで発信すれば集客を生む
消費者は真実を判断するためにより多くの情報源を求めて様々なメディアから情報を収集する。
その消費者がほしいと思う情報を豊富に持っていることは、SNSで集客できる大きな要因である。
我々一般人とは違い伝えるべき情報が多い有名人は、食事の内容を伝えるだけでも知りたいファンにとっては有益な情報となる。
いつも仏頂面した力士の素顔や地方巡業の雰囲気が見られたり、
普段は見られない土俵づくりの様子などはファンでなくても見たいと思うだろう。
SNSの普及により、言葉だけではなく写真や動画で様々な情報を提供できるのもファン獲得に影響を与えている。
SNSの利用以外の取り組みも業界回復の要因として考えられるが、情報が一気に伝播して比較的若年層のファンが増加したのは疑いがない。
SNSを利用した集客に必要な要件は、どれだけ多くの伝えるべき情報を備えているか、そしてその情報を知りたいと考えるユーザーがどれだけ存在するかにある。