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はじめての方の仕事依頼はデザイン依頼フォームから。
デザインの依頼者であっても事前研究が必要

依頼内容を十分理解して資料提供をしなければ理想とは程遠い結果をもたらす。

印刷会社や広告代理店などを通さず直接デザインを依頼する人の多くは、デザインとは全く縁のない人がほとんどである。
たとえデザインと縁がなくても、実現したい理想のカタチやデザインの方向性は、多少なりとも事前に用意してから依頼する必要があり、それは印刷会社をはじめとする同業者であっても同様である。

家を建てたり車を購入する場合でも、雑誌やWebサイトで事前に情報を仕入れ、しっかりと内容を確かめてから購入を決断しないだろうか?
深く考え理解すること、これは仕事も同じことである。

依頼内容とは裏腹の提供資料が生んだデザインの理想と結果のギャップ

以前、食やイベントを題材にした行政関連のパンフレットをデザインしたことがある。
行政の殻を打ち破るような女性目線の洒落たデザインを要望されたが、打ち合わせで営業から手渡された参考資料は、これまで役所で制作してきたお硬い冊子やチラシばかりであった。
脱行政と言うからには、書店で販売されているような「カフェ巡り」の洒落た雑誌を参考として手渡されると思っていたので、役所側が考えている要望とデザインの理想とのギャップが激しく、当初からかなり違和感を覚えていた。

制作にあたり、脱行政を謳うのであればとまずは書店を訪れ、少し洒落た街巡りをテーマにした書籍を参考として数冊購入した。
数日かけて行政関連の出版物ではないようなデザインを2案提示したが、事前に提供を受けていた参考資料のようなデザイン案も欲しいと要望があり、ほんの数時間で作成して提出した。

結局最後に提出した行政案が採用され、脱行政を意識して作成した小洒落たデザイン案は不採用とされた。
今まであまり役所などでは見かけないデザインを心がけてデザインしたが、結局は役所の出版物でよく見るデザインになってしまった。
役所の担当者がデザインに納得しているのであれば、それが「脱行政」を感じさせるデザインなのだろう。

結果の把握不足と理想を実現するための努力欠如が招いた結果

役所内で新たにパンフレットを作成する案が持ち上がり、「脱行政」という方向性で意見がまとまったなら、まずはそれに伴う提供資料を集めことになるだろう。
本来は近くの書店に足を運んだり、Webサイトを閲覧するなどして理想となるデザインの資料を集めるのだろうが、恐らくこの担当者は深く言葉の意味を考えずに資料を集めたのだろう。
「餅屋は餅屋」で、依頼するデザイナーにすべてを任せておけば、という気持ちがあったのかも知れないが、提供を受けた資料と彼らの話す理想のデザインとはまったく違いすぎていた。

理想を実現するためには理想を探す努力が必要で、その努力を怠ると理想とはまったく違う結果をもたらす。
本当に良いデザインや理想のカタチを求めるのであれば、デザインに沿った内容の資料を探す必要があったのだが、今回は残念ながらうまく機能することはなかった。

デザインに限らず、依頼する分野の知識がないという理由で深く理解することを怠ると、本来自分が求めているものは手に入ることが難しくなる。
仕事の依頼者と言えど、「知らないから」ではなく、「知ろうとする」努力は絶対的に必要である。

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